内分泌代謝内科とは

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内分泌代謝内科は、下垂体や甲状腺、副腎などから分泌される様々なホルモンの異常によって起こる病気の診断と治療を行なう専門診療科です。甲状腺の病気であるバセドウ病や橋本病、副腎ホルモンに起因する疾患、脂質異常症、高尿酸血症などが代表的です。また、本態性高血圧の中にはホルモン産生異常によって起こるタイプもあり、必要に応じて検査を行います。

女性に多い甲状腺疾患

ホルモン異常のうち、甲状腺の機能に異常が起こる病気は20~40歳代の女性に多く見られます。バセドウ病や橋本病という疾患名を聞いたことのある方も多いと思いますが、これらは血液検査と超音波検査で診断することが出来ますので、一度、内分泌代謝内科をご受診ください。

甲状腺疾患について

甲状腺は、気管を取り囲むような位置(いわゆる「喉ぼとけ」)のすぐ下にある重さ10~20gの小さな臓器であり、蝶が羽を広げたような形状をしています。全身の新陳代謝や成長促進に関わるホルモンを分泌しておりますので、甲状腺の機能が高すぎたり、逆に低すぎたりすると、全身の健康状態に異変が生じるようになります。

甲状腺疾患の主な症状

  • 最近、疲れやすくなった
  • 身体がむくみやすくなった
  • 首に腫れがある
  • 安静にしているのに心臓がドキドキする
  • 手の指などが細かく震える
  • 暑がりになり、水をよく飲むようになった
  • 身体が冷えやすくなった
  • よく食べるのに痩せてきた、逆に食欲がないのに太ってきた
  • イライラしやすくなり、落ち着かないことが増えた
  • 肌が乾燥し、カサカサする
  • 朝起きたとき、顔や手がむくんでいる
  • 長い間、便秘の状態が続いている
  • 昼間も眠く、居眠りしてしまうことがる
  • 月経不順になった など

主な甲状腺疾患

  • バセドウ病
  • 無痛性甲状腺炎
  • 亜急性甲状腺
  • 橋本病(慢性甲状腺炎) など

バセドウ病

バセドウ病は、特殊な抗体によって甲状腺が刺激されるようになり、ホルモンが過剰に作られてしまう病気です。異常な物質によって新陳代謝が活発になりすぎるため、安静にしていても動悸が起こったり、少し動いただけで息切れしたりします。

主な症状は、甲状腺の腫れと動悸ですが、この他にも様々な不都合が生じます。眼球突出は有名な症状ですが、実際にはそれほど多くありません。その他、イライラ感、集中力の低下、不眠、脱力感、手足の震えなどが出現することもあります。

無痛性甲状腺炎

何らかの原因によって甲状腺が破壊されてしまい、その中に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出してしまう病気です。痛みを伴わないため、「無痛性」と呼ばれています。通常は一過性の甲状腺機能亢進であり、数か月ほどで甲状腺ホルモンの量も正常値に戻ります。

無痛性甲状腺炎の背景には橋本病があるとも言われていますが、どのような機序で甲状腺が壊れ、ホルモンが漏れ出すのかについては明らかにされていません。

主な症状としては、比較的短期間に動悸、暑がり、体重減少などが認められます。積極的な治療を行なわなくても改善することが多いため、経過を観察することもありますが、動悸などの症状が強いときはβ遮断薬などを使用し、症状の軽減を目指します。

亜急性甲状腺炎

甲状腺に炎症が起こり、血中の甲状腺ホルモンが増加する病気です。治癒までの期間が急性と慢性の中間くらい(2~4か月程度)なので、「亜急性」と呼ばれています。ウイルス感染などによって起こるケースが多いのですが、詳しい原因は分かっていません。

亜急性甲状腺炎になると、甲状腺の辺りが硬く腫れ、痛みが起こります。痛みの発生部位は左右に移動することもあります。甲状腺ホルモンが血液中に沢山流出したときは、動悸や手の震え、倦怠感が強まります。但し、1か月ほどで症状が治まることが多いので、対症療法的にサリチル酸製剤を投与するくらいにとどめるケースが多くなります。但し、痛みが強いときはステロイド薬を投与します。

橋本病

免疫反応により、甲状腺に慢性的な炎症が起こる疾患です。この病気は幅広い年代で起こりますが、とりわけ中高齢の女性に多く見られます。

甲状腺ホルモンの量が低下し、新陳代謝が低下するため、全身が老け込むような風貌になることもあります。無気力になる、忘れっぽくなる、寒さに弱くなる、皮膚が乾燥してカサカサになる、身体全体がむくむ、眠気が取れない、などの症状が見られた場合は、医療機関を受診し、正確な診断を受けるようにしてください。