生活習慣病の主な対象疾患
- 高血圧
- 脂質異常症
- 慢性腎臓病(CKD)・2型糖尿病
- 高尿酸血症/痛風、肥満症
- メタボリックシンドローム
- 脂肪肝/非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性肝炎(NASH)
東京都目黒区自由が丘2-8-17
グランデ自由が丘1階
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Lifestyle Diseases
生活習慣病とは、健康的と言えない食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が関係して発症する病気のことで、生活習慣次第で発病を防ぐことができる病気という言い方もできます。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症・メタボリックシンドロームなどはいずれも生活習慣病であるとされています。
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。日本人の高血圧の最大の原因は、食塩の過剰摂取です。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民の二人に一人は高血圧です。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。
日本高血圧学会の高血圧診断基準は表の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準が用いられます。
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入り、すぐに膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、膵臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりすることによって、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血糖値は一時的に高くなりますが、インスリンの作用によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができずに、血液中にブドウ糖があふれてしまい、血糖値が常に高い状態になります。
ブドウ糖は、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、3大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行かず、切断に至ることもある病気)、認知症など、大きな障害につながります。このような症状が出たときには、すでに糖尿病が進行していることが多いのです。このため、年に1度は健康診断などで、自分の血糖値を確かめる必要があります。
健康診断などでは、血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)の検査を行います。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するため、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標とされています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなりますので、必ず受診してください。
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態です。単に腹囲が大きいだけではメタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
内分泌代謝内科は、下垂体や甲状腺、副腎などから分泌される様々なホルモンの異常によって起こる病気の診断と治療を行なう専門診療科です。甲状腺の病気であるバセドウ病や橋本病、副腎ホルモンに起因する疾患、脂質異常症、高尿酸血症などが代表的です。また、本態性高血圧の中にはホルモン産生異常によって起こるタイプもあり、必要に応じて検査を行います。
当てはまる方は甲状腺に疾患があるかもしれません。
脳や脊髄、末梢神経、筋肉の障害によって引き起こされる病気の診察や治療を専門に行なう内科系の診療科です。神経は全身に張り巡らされていますので、この不調を扱う神経内科の医師は「全身を診る医師」と言われており、高度な見識が求められるのです。
そして、詳細な検査によってどこの病気なのかを見極め、脳神経や血管の手術が必要な場合は脳神経外科、骨や関節などの運動器疾患のときは整形外科、耳の中に原因があるときは耳鼻咽喉科といったように、脳神経内科以外での治療が必要だと判断したときは、それぞれの専門病院を紹介する役割も担っています。
なお、精神科(精神神経科)や心療内科と混同されている方もいらっしゃるのですが、神経内科は精神的な疾患を扱う診療科ではないので、ご承知おきください。(但し、認知症やてんかんなど、精神科と神経内科のどちらでも診る病気もあります)