肛門科の主な疾患
- 痔核(いぼ痔)
- 裂肛(切れ痔)
- 痔瘻(あな痔)など
痔核(いぼ痔)
【出展】マルホ製薬ホームページより
肛門に関連した悩みでもっとも多いのは、長引く便秘や、肛門に過度のストレスをかけることによって発症する「痔」です。その中でも最も多いタイプが痔核であり、当院を受診される患者様においても頻繁に見られます。直腸の下部や肛門付近にある網目状の静脈がうっ血し、腫れあがってイボのように膨らむので、いぼ痔とも呼ばれます。直腸下部と肛門上皮の境界線よりも内側に出来るのが「内痔核」、外側に出来るものが「外痔核」です。
内痔核の場合、排便時に出血が伴うことが多いのですが、内痔核のできる場所には感覚神経が通っていないため、あまり痛みを伴わないまま病気が進行していきます。さらに進行すると、肛門外に脱出し、指で押し込んでも戻らなくなってしまいます。この状態になると、手術が必要となります。
外痔核は、強い痛みを伴うことが特徴であり、便通異常や飲酒、激しい運動、臀部に強い負担をかけることなどにより症状が悪化します。
裂肛(切れ痔)
裂肛は、肛門の上皮が切れてしまい、その部分に裂創や潰瘍ができる疾患です。痛みによって肛門括約筋が締まって肛門が狭くなるため、排便しづらくなり、肛門の状態を悪化させるという悪循環に陥ることもあります。症状が悪化すると、大量の出血が見られるようになります。
裂肛には、便秘や下痢によって肛門が切れ、排便時に痛みや出血を伴うものの、その傷が浅くて数日で回復する「急性裂肛」と、何度も急性裂肛を繰り返したり、感染症が起きて肛門ポリープやいぼが固く盛り上がってしまう「慢性裂肛」があります。
痔瘻(あな痔)
痔瘻は、肛門の周囲に孔が開き、肛門内に瘻管(トンネルのような通り道)が出来てしまう疾患です。孔の空く場所などにより、皮下痔瘻(1型)、筋間痔瘻(2型)、坐骨直腸窩痔瘻(3型)、骨盤直腸窩痔瘻(4型)の4タイプがあります。